恩田陸さん 『六番目の小夜子』から、とうとう、ここまで到達しましたか !
読了して、や〜 すごいなあ と思ったのが、最初の感想でした。
その日は、私は1日じゅう『spring スプリング』の本の世界をさまよっていました。
本の装幀もまた、白。
白 にくるまれた バレエの世界。
世界をかたちづくること、それが本書の主人公 萬春(よろず はる)の望み。
バレエの天才的な踊り手ではありながら、それよりも、振付演出家としての才能が、突出している彼のことを、
周囲の親しい人は、HAL
と呼びます。
そう、映画『2001年宇宙の旅』のコンピューターHAL
HALという名は、IBMの1文字前のイニシャルをとった名前だと、本書で知りました。
へ〜 そうなんだ! ちょっとビックリ。
脳裏に、かつて見知ったIBMの図体の大きいコピー機と、異様に大きな音をたてて、連続複写するさまが浮かびました。紙が複写されてトレーに吐き出されるたびに、機体のガラス面が、シャッ シャッと光る、あの巨体。
本書のHALこと 萬春は、中性的な魅力をたたえた、独特のたたずまいがイメージされます。
俺は、世界を戦慄せしめているか?
柳田國男の遠野物語の序文の一節。それをここで出してくるんですね。
読了した私のまる1日、頭の中で、ストラヴィンスキーの春の祭典が、ラヴェルのボレロが、くるみ割り人形が、オーロラ姫のパ・ドゥ・ドゥが、鳴り響いた。
