
水野一晴著 筑摩書房 2023
中学生のころ はやった遊び。
いろいろありましたが、地図帳使って、地名あてクイズ。
意外と見つけにくいのが、大まかな なんとか市 とか なんとか州 という感じのお題でした。
目を皿のようにして、なめるように地名を探しました。
ジュール・ベルヌ の『十五少年漂流記』(2年間の休暇 が原作の書名だったと思いますが)、漂流してたどり着いた無人島はどこ?って、探しました。同じ事を考える人はやっぱり多かったようで、作家の椎名誠さんの、オークランド島のこの辺じゃないかっていう作品を読んだ覚えがあります。
本書は、地理学者の水野一晴氏が、植生の観点から過酷な場所で調査する顛末をまとめたものでした。
地理学者ってこんなことするのだな、と知りました。
地名を研究するというよりは、3000メートル以上の高山で、植物がどこまで生えているか といったことを調査されていました。
地味な調査旅行中のハプニングは、読んでいて、楽しい旅エッセイをはるかに超えているな、という印象をうけました。
アンデス山脈やキリマンジャロ山。地球温暖化に伴って、氷河がなくなっていくのが、写真でよくわかります。
ご多分に漏れず、地理学者のポストが少ないので、苦労は尽きないようでしたが、
海外で旅していて、
知ってるドイツ語は何?と聞かれて、
イッヒ リーベン イッヒ
といったら、それ 僕の顔を見ないで言ってくれ
と言われたり、
アフリカのケニアでみんなが知ってる日本語は、
ETCカードを挿入してください
だそうで、可笑しかったです。ETCカード 伝々は、テレビのクイズ番組で聞いたことがありますが、日本の中古車の輸出先がアフリカが多く、
ほとんどの中古車は、機器を抜き取らずにそのままなので、
ETCカードを挿入してください
と必ず車を運転するときに、しゃべるんだそうです。
水野先生も、ケニア人の運転手にどういう意味だ? と聞かれたそうです。
水野先生は、普段は、ぼんやり日本で暮らしていて、海外に飛び出すと あまりに日本とかけ離れていて、生き生きされるようです。
世話好きが嵩じて、ブラタモリで、ご自分の研究室の学生さんをタモリさんに、嬉しそうに紹介されるそうです。
本書は地名が多くて、ちょっと難しい内容も含まれていますが、けっこう学問をはみ出した、ハプニングが面白かったです。