
ローズマリ・サトクリフ 作
猪熊葉子訳 岩波少年文庫 2008
何度読んでも面白い イギリス児童文学ファンタジー。
歴史物語でもあることに、驚きです。
車椅子生活で、肢体が不自由な身体で、ローマの第9軍団のワシ、とか 運命の騎士 など、硬派歴史ものを書いてしまうサトクリフさんは、子ども時代のお気に入りの作品でした。
今でも、時々読み返します。
ブリトン 今でいう イギリス、風吹きすさぶ辺境の地、
サクソン人、ケルト人、ローマ人との混血によって、たくさんの血が流れた土地。
ひとくちでイギリスと言っても、征服されたり押し返されたリ、その繰り返し。
本書もその1つ。血と汗と、吹き荒れる嵐、暗い海が目に浮かびます。
アーサー王伝説のもとになる
らしいですが、
撤退するローマ軍から脱走したアクイラは、ローマ騎兵隊十人隊長の一人であったにも関わらず、ブリトン人であることを選んだ。
父の領地は、海のオオカミ サクソン人の襲撃により滅ばされ、自分は、奴隷としてジュートランドで使役される身となった。父は死に、妹は行方不明。やっとの思いでブリトンに帰り、アンブロシウスに仕えることになりました。
戦いがあり、妻を娶り、息子を授かり、敵地で生きている妹の息子を助け、ブリトンの地で雄々しく生きていきます。
主人公におとらず女性たちも過酷な運命を、しなやかに生きていかざるを得ません。
平たくいうと、あきらめが肝心。
そうして生命をつないでいく、壮大な物語。
サトクリフさんは、どこにあんな臨場感漂うイマジネーションを思い浮かべるのか、本当に尊敬してしまいます。
何度目かの、サトクリフさんの、ローマ4部作。